|
これまで述べてきたように、DSは「心身の不適応」状況にある子どもたちに対するネットワークケアの中核をなす存在ですが、子どもたちとの位置関係そしてネットワークケアにおけるポジションと役割を十分理解して活動しているDSの数はまだまだ不足しています。同時に熟度の高いDSが多ければ多いほど、発達共助連は多くの子供たちに有効に対応できることになります。
また、こうしたDSへの専門家による不断の指導・フォローも欠かすことが出来ません。
そのため、発達共助連では、DSの数を確保すると共に、DSが一人の子どものみならず発達共助連活動により広範に参加すること、さらに専任リーダーによる不断のサポートを受けることにより、質的にも、より子ども、家族、カウンセラー(医師を含む)から信頼される存在として力を発揮できるよう期待を込めて、「DS養成・技術向上事業」を1999年より展開しています。
この事業は、アメリカのジーンズメーカー、リーバイス社が社会奉仕活動の一環として設定している「リーバイ・ストラウス・コミュニティ活動推進基金」(財団法人日本国際交流センター内)より助成金を得て、1999年12月より開始しました。
事業の内容は以下の通りです。
1.DS養成・技術向上講座
DSは、いわば特殊な技能を要求されるポジションであります。適性も見なければなりません。DS希望の学生等であっても何のトレーニングもなしに、子どもの伴走者としてのDSとするわけにはいきません。例え心理学を学んでいても、それだけで十分であるとは考えません。従って、DSは育成していく必要があります。
また、経験を多少積んだDSに対しては、更に技術を上げさせるための集中トレーニングの場が必要です。DSの技術向上は、子どもにとってもネットワークケア全体にとっても大きな意味を持ちます。同時に、そのように成長したDSが、新たにDSとなっていく同世代の青年層への、ごく身近でより良き助言者・相談相手となることによって、より理想的な循環が生まれるからです。
DSの中心は学生であり、就職等により年々入れ替わりが生じてしまいます。 そのため、常に新たにDSを志す青年層の教育的訓練が必要となってくるという事情もあります。
したがって、発達共助連では、そうしたトレーニングの場としてのDS養成・技術向上講座を独自で開催しています。
DSとしての素養のある方々を対象に、DSとして基本的に熟知しておくべき事がらについて、同時にさまざまな場面における応用力を身につけてもらうことをねらいとして、大学や大学院等とは異なったより実践的な内容の集中講座を毎年実施しています。(詳しくは「DSの活動ページ」の「DS講座実施報告」をご覧下さい。
2.ディベロップメンタル・サポーター(DS)スーパーバイザーの配置
発達共助連では、DSの活動をより効果的にするため、不断にDSと接触し、適切かつ積極的なアドバイスを与えると共に、セラピストや医師、教育現場との繋ぎ役としてDSを指導・サポートするDSスーパーバイザーが、発達支援室に週2日常駐しています。
DSスーパーバイザーは、また、DS個々の個性を勘案し、子どもの状況に応じたDSの適切な配置と日常的な家庭へのフォローを行っています。
DSスーパーバイザーは、さらに前述のDS養成講座においても計画から実行まで中心的役割を果たします。現実に多くのDSおよびDS志望者と接しているため、その課題を最もよく知る立場にあるからです。
「DSスーパーバイザーの存在なくしては、DSのシステムが上手く機能しない」-これが、現在の発達共助連の結論です。
こうしたDSに対する細かくかつ日常的な対応が、DSのスキルを向上させ、ひいては子どもたちに対し、大きなメリットとなって還元されていくわけです。
3.DSに対する野外活動参加費補助
発達共助連では、夏に2泊3日のサマーキャンプ、冬にも1〜2泊のスキーキャンプを行っています。外出の苦手な子供たちにとって、気兼ねなく参加できるキャンプであり、カウンセラーやDSにとっては、じっくりと子供たちの行動を観察できる絶好の機会です。
こうした泊まりがけのキャンプは東京を離れた地で実施するため参加費用がそれなりにかかります。DSの中軸はボランタリーな学生であり、こうしたやや多めの参加費用費用が必要な行事に「自腹」をきっての参加を義務づけるわけにはいきません。
しかし、こうした野外行事に子供と一緒に参加して得るものは少なくないはずです。したがって、彼らのスキルアップの重要な一環として、サマーキャンプ、スキーキャンプ等宿泊を伴う野外活動に参加するDSには参加補助金を支払うことで、彼らの参加を促しています。

|