<発達共助連のご案内>内容
☆基本理念・目的 ☆ネットワークケア ☆発達支援と環境調整
☆共助と自助 ☆DSの重要性 ☆活動内容と狙い
☆組織と連員構成 ☆連の歩み ☆入連問い合わせ
発達共助連では、個々の子どもたちの発達支援に直接関わる人たちをディベロップメンタル・サポーター(=DS、Developmental Supporter)と呼び、ネットワークケアの中核として位置づけています。以下にDSの役割、重要性等について説明します。
ディベロップメンタル・サポーター(Developmental Supporter=DS)とは、日本語に訳せば「発達支援者」というところでしょうか。
「心身の不適応」状況にある子供たちが、それを乗り越えていくためには、日常的に、子どもの側に立って、心理的、教育的に彼らが「生き物としての力」を取り戻せるよう常に一緒に歩んでいく医師でもセラピストでも親でもない第三者の力が必要です。
子どもの家庭に定期的に入り、時には家庭教師、時にはカウンセラー、時には遊び相手そして時にはやさしい兄や姉的な相談相手、と状況に応じ変幻自在に子供たちと接し、日常的な療育場面の担い手として子供たちがそれぞれのペースで成長していくことをサポートする人たちです。当然のことながら、当該する子どもの信頼を得ていなければつとまりません。
そうした人たちのことを発達共助連では、DevelopmentalSupporter=DSと呼んでいます。
つまり、DSは「子供たちの発達の伴走者」といえる人々であり、その子どもたちへのサポートは、発達共助連の考えるネットワークケアの要になっており、単なる家庭教師やメンタルフレンドとは異なる存在です。田原卓浩医師(現・国立成育医療センター総合診療部医長)は、朝日新聞社発行"Medical ASAHI" 誌上(2000年12月号)で、発達共助連活動の重要さを紹介され、DS活動について「なかでも学生を中心とするディベロップメンタル・サポーター(DS)派遣による個別の療育プログラムは、これまでの医療と教育の隙間を埋めるものとして注目され、教育現場からの期待も大きい」と評価されています。
発達共助連の理念であるネットワークケアにおいて、チーム医療が完全になされ、個別の療育プログラムが出来たとしても、医師やセラピストは、数多くの子どもたちに対応しなければならないため、個別の子どもたちと日常的に接する機会を作るには困難が伴います。
一方、学校等教育現場でも、同じく多くの子どもが教育対象であるため、個別の子どもたちに対し、個別の指導をするには困難が伴います。
そこで、DSの登場です。DSは、定期的(週1〜3回)に家庭に入り、個別療育プログラムを参考にしつつ子どもたちと接します。
当然、家庭や教育現場での子どもの日常的な課題、取り巻く環境上の課題も知る立場となります。従って、子どもおよび家族との信頼関係が何よりも大切になってきます。
そして、医師やセラピスト等との指導・助言の下、時には家庭教師、時にはカウンセラー、時には遊び相手そして時にはやさしい兄や姉的な相談相手となります。また、外に出ていこうとしない子どもたちをさまざまな野外活動シーンに引っぱり出す保護者的な役割も担います。
そして、DSは、担当する子どもの状況を彼ら彼女らを取り巻くさまざまな環境状況を含め、常にセラピスト等に報告し、そのスーパーバイズを受けて、活動します。またそうしたスパーバイザーによる療育の方針・指示を、子どもそれぞれの状況に応じ、上手く工夫して子どもや家庭に伝えられる者である必要があります。
従って、DSは、子どもと親や医師・セラピストとの繋ぎ役であると共に、家庭と療育チームとの繋ぎ役でもあり、まさにネットワークケアの中核に位置していると言えます。
DS活動は、子どもたちをその対象としているため、DSには必然的に子供たちに近い年代の人、つまり現役の大学生や大学院生が多いのが現状ですが、その気概のある方ならば、誰でもが、DSになりうると我々は考えています。
しかし、若い人誰もが、簡単にDSになれるわけではありません。何よりも偏見が無く子どもの発達を願う心をもっていることが大切です。
心理学を学んでいることは、必ずしも条件ではありません。例え、大学等で心理学を学んでいてもそれだけでは、発達共助連の考えるDSとしては不十分です。
「心身の不適応」状況にある子供たちに上手く対応していくためには、様々な経験、多様な知識、柔軟な頭脳、自然との対話能力、不断の向上心が必要だからです。
発達共助連活動の根幹であるネットワークケアの中核に位置するのが、本来はDSです。熟度の高いDSが多ければ多いほど、発達共助連は多くの子供たちに有効に対応できるこになります。

これまで述べてきたように、DSは「心身の不適応」状況にある子どもたちに対するネットワークケアの中核をなす存在ですが、子どもたちとの位置関係そしてネットワークケアにおけるポジションと役割を十分理解して活動しているDSの数はまだまだ不足しています。同時に熟度の高いDSが多ければ多いほど、発達共助連は多くの子供たちに有効に対応できることになります。
また、こうしたDSへの専門家による不断の指導・フォローも欠かすことが出来ません。
そのため、発達共助連では、DSの数を確保すると共に、DSが一人の子どものみならず発達共助連活動により広範に参加すること、さらに専任リーダーによる不断のサポートを受けることにより、質的にも、より子ども、家族、カウンセラー(医師を含む)から信頼される存在として力を発揮できるよう期待を込めて、「DS養成・技術向上事業」を1999年より展開しています。
この事業は、アメリカのジーンズメーカー、リーバイス社が社会奉仕活動の一環として設定している「リーバイ・ストラウス・コミュニティ活動推進基金」(財団法人日本国際交流センター内)より助成金を得て、1999年12月より開始しました。
事業の内容は以下の通りです。

1.DS養成・技術向上講座

DSは、いわば特殊な技能を要求されるポジションであります。適性も見なければなりません。DS希望の学生等であっても何のトレーニングもなしに、子どもの伴走者としてのDSとするわけにはいきません。例え心理学を学んでいても、それだけで十分であるとは考えません。従って、DSは育成していく必要があります。
また、経験を多少積んだDSに対しては、更に技術を上げさせるための集中トレーニングの場が必要です。DSの技術向上は、子どもにとってもネットワークケア全体にとっても大きな意味を持ちます。同時に、そのように成長したDSが、新たにDSとなっていく同世代の青年層への、ごく身近でより良き助言者・相談相手となることによって、より理想的な循環が生まれるからです。
DSの中心は学生であり、就職等により年々入れ替わりが生じてしまいます。 そのため、常に新たにDSを志す青年層の教育的訓練が必要となってくるという事情もあります。
したがって、発達共助連では、そうしたトレーニングの場としてのDS養成・技術向上講座を独自で開催しています。
DSとしての素養のある方々を対象に、DSとして基本的に熟知しておくべき事がらについて、同時にさまざまな場面における応用力を身につけてもらうことをねらいとして、大学や大学院等とは異なったより実践的な内容の集中講座を毎年実施しています。(詳しくは「DSの活動ページ」の「DS講座実施報告」をご覧下さい。

2.ディベロップメンタル・サポーター(DS)スーパーバイザーの配置

発達共助連では、DSの活動をより効果的にするため、不断にDSと接触し、適切かつ積極的なアドバイスを与えると共に、セラピストや医師、教育現場との繋ぎ役としてDSを指導・サポートするDSスーパーバイザーが、発達支援室に週2日常駐しています。
DSスーパーバイザーは、また、DS個々の個性を勘案し、子どもの状況に応じたDSの適切な配置と日常的な家庭へのフォローを行っています。
DSスーパーバイザーは、さらに前述のDS養成講座においても計画から実行まで中心的役割を果たします。現実に多くのDSおよびDS志望者と接しているため、その課題を最もよく知る立場にあるからです。
「DSスーパーバイザーの存在なくしては、DSのシステムが上手く機能しない」-これが、現在の発達共助連の結論です。
こうしたDSに対する細かくかつ日常的な対応が、DSのスキルを向上させ、ひいては子どもたちに対し、大きなメリットとなって還元されていくわけです。

3.DSに対する野外活動参加費補助

発達共助連では、夏に2泊3日のサマーキャンプ、冬にも1〜2泊のスキーキャンプを行っています。外出の苦手な子供たちにとって、気兼ねなく参加できるキャンプであり、カウンセラーやDSにとっては、じっくりと子供たちの行動を観察できる絶好の機会です。
こうした泊まりがけのキャンプは東京を離れた地で実施するため参加費用がそれなりにかかります。DSの中軸はボランタリーな学生であり、こうしたやや多めの参加費用費用が必要な行事に「自腹」をきっての参加を義務づけるわけにはいきません。
しかし、こうした野外行事に子供と一緒に参加して得るものは少なくないはずです。したがって、彼らのスキルアップの重要な一環として、サマーキャンプ、スキーキャンプ等宿泊を伴う野外活動に参加するDSには参加補助金を支払うことで、彼らの参加を促しています。

上掲の様に、発達共助連では、DSは、ネットワークケアの中核であるとの上記の考えに基づき、DSスーパーバイザーが、発達支援室に週2日常駐し、DSを必要とする子どもたちに対する適切なDSの配置、そしてその指導に当たっています。DSは、その活動報告を、原則として毎週DSスーパーバイザー宛に提出することになっており、DSスーパーバイザーはその報告により必要に応じ、医療現場、教育現場等と連絡し、適切な対応を行うよう努めています。
また、発達共助連では、実際に子どもたちの視点に立ったDS活動が出来るようになるためには、ある程度の「技術」が必要であると考えています。
そのため、連として専門家を講師に実際にDSとして活動している人たちを対象とした「DS技術向上講座」を年1〜2回開催しています。
また、DSを志す人には、年1〜2回の「DS養成講座」で対応している他、DSとDSを志す学生が「DS・学生交流会」等を開き、相互研鑽に努めています。
☆DSを派遣してくれところですか?
DSについて、よくある誤解が2つあります。
1.共助連に入れば必ずDSを派遣してくれる
2.DSは、ボランティアなのだから無償奉仕の筈だ
の2点です。
1.「共助連に入れば必ずDSを派遣してくれる」
いいえ、共助連は、単なるDS派遣組織ではありません。まずは「自助ありき」です。発達共助連は自助が前提です。自助あっての共助なのです。
発達支援セラピーの対象となるお子さまには、上記DSの項で説明したような<子どもたちの伴走者>の存在が必要不可欠であると考えています。
しかし、発達共助連は、<自助>を前提にまずそれぞれのご家庭が相応しい方を見つける努力をするべきだと考え、原則としています。
そうして見つけた家庭教師的な人で、希望された人に対しては、セラピストおよびDSスーパーバイザーが面接の上、DS登録をして頂きます。その上で、日常的にスーパーバイズを行います。DS養成・技術向上講座への参加は、もちろん不可欠です。同時に、DSスーパーバイザーがその他の各種の発達共助連活動への参加を促します。こうして、スキルを上げた人たちが、DSとして活躍する、これが大原則です。
しかし、同時に発達共助連は、DSをさまざまなルートで確保し養成しています。どうしても子どもの状況に上手く対応できる家庭教師等が見つからない場合、発達共助連は、その子どもの状況に適したDSを派遣します。

2.「DSは、ボランティアなのだから無償奉仕の筈だ」
ボランティア=無償奉仕という考えは、間違っていると発達共助連では考えています。それは、持てる人が持たない人に施す、という古いボランティアの考えに基づいています。発達共助連の「共助」の意味をもう一度お読み下さい。
DSには、技術が必要だと、これまで説明してきました。
DSは、普通の家庭教師に比べ、子どものために直接、間接に、はるかに多くの時間を使います。そのため、家庭内で直接子どもと関わる時間内については、DSが正当な対価を受け取って然るべきだと考えています。